今更やめられないという結論になった
前回の記事で書いたように、自分は何もせずとも機材の譲渡と後継団体の設立が完了しているので、これ以上書かないといけないことはもうありません。
しかしまた放置して終わるのもどうかと思うので、つまらん自分語りだけしておきます。
写真に興味を持ったきっかけと現状
貸出用のカメラとすべく祖父宅からミノルタXDとニコンD80を借りてきました。
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2019年4月7日
XDは動くかちょっと怪しいので一本フィルムを通してみます。 pic.twitter.com/2w3sHuABBZ
実は問題なのはD80の方で、充電してシャッターを切ろうとしたらシャッターユニットの寿命が来ていました…
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2019年4月8日
デジタル、フィルムともに貸出機は一つ用意しようと思っているので対応を考えます。
初めてまともに触ったカメラは祖父が持っていたニコンD80です。小学校高学年の時の家族旅行で触らしてもらい、一眼レフのファインダー、焦点が結ばれボケていた像がすっと明快になる感じやシャッター音に心を掴まれました。
これがきっかけで自分のカメラも欲しいと思ったのですが、当時の自分ではデジカメの購入資金を捻出できず(当時はエントリークラスのレンズキットが4万円台で売られていたと記憶しています)、祖父が持っていたフィルムカメラで遊んでみるというのを思いつきました。このカメラは実用的な顔ぶれが揃っており
- Nikon F3
- Nikon FE2
- Nikon F100
- Minolta X-700
- Konica Bigmini F
などがありました。機械的な魅力、特にファインダーはD80がしょぼく見えるほどで、このまま飾られているのもなんかもったいねぇと思い、祖父から借りて写真を撮ったのが写真趣味の始まりとなります。
エントリーの一眼レフすら買えないのにフィルムに手を出すのは、今だと不可解に思えるかもしれませんが、約10年前のフィルムの相場は今では考えられないほど安く、並行輸入物のフィルムが1本200円ぐらいで売っていました。現像についてですが、ネットで1本300円ぐらいで現像とデータ化をしてくれるところがあると知ったので、送料等を考えても合計で600円ほどで1本撮れます。カメラは借りるだけなのでイニシャルコストは完全に0です。いつ手に入るか分からないデジカメより、お小遣いの範囲で遊べるフィルムカメラを選んだ形になります。
写真の入口は色々とあると思いますが、自分の場合は写真というよりはカメラに興味があったほうで、あまり健全では無いかもしれませんね。工業大学向きではあると思いますが。
フィルムカメラが入り口といえど、ずっとそれ一本で来たわけではなく、高校ではXQ1と親のD5200を併用していました。
琵琶湖大橋を一度歩いて渡ってみたいと思っていますが、まだ行けていません。#今日の一枚 pic.twitter.com/WFzOC3c1TB
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2018年6月18日
↑ XQ1での一枚。高校2年の時。
大学に入る直前(2017)には、貯金を叩いて昔欲しかったD7000を買いました。小中学生の頃は絶対買えないと思えるほど高かったのに、中古相場はこちらが気の毒になるほど安く、34000円ほどで買えてしまいました。当時はD500も出ている頃なので型落ちの型落ちになりますが、使っていて特に困ることはありませんでした。
伊根の舟屋での一枚。水面の照り返しが綺麗でした。#今日の一枚 pic.twitter.com/A3ZEvqtBxa
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2018年7月20日
↑ D7000での一枚。大学入学直前。
しかし大学に入ってからなんとなく心境の変化がありまして、やっぱフィルムカメラの方が面白いし、デジカメは当分いらないかなと思うようになり、買ったデジカメも処分してしまいました。
明治村での一枚。高校でも写真部でも遠足で訪れたことがあり、縁が深いです。#今日の一枚 pic.twitter.com/xW98UAEdVq
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2018年7月4日
↑そういえば部活の最初の撮影会に持ち出したのはモノクロフィルムを詰めたF100でした。カラーネガが値上がり、モノクロフィルムが相対的に安くなったので大学以降はそれなりに使っていました。
完全に事後報告ですが、今月の頭に赤沢自然休養林に行ってきました。
— 名工大写真研究部(2代目) (@NIT_Fotoclub2) 2019年11月13日
高校生のときに行けそうで行けなかった場所なので、訪れることができて良かったです。
かなりの山奥なのですが当たり前のように大型の観光バスが来ていて少し恐怖を覚えました。 pic.twitter.com/wjCtSC3hmq
途中の更新から事後報告ばかりになるのですが、種明かしをするとそもそもデジカメをもっていなかった事による現像のタイムラグになります。
普通に考えれば、廃部にしてしまった時点でカメラは処分して写真から足を洗うべきなのですが、祖父から借りているカメラを処分するわけには行きません。返したところで原点の、なんかもったいねぇと言う状態に戻るだけですし、祖父はもう鬼籍に入っているので返す相手はもういません。たまには旅行に行きたいし、行くからにはしっかりとファインダーを覗いて写真を残したい。辞める理由はいくらでもあるがその決断はできず、ずるずる撮っていた形になります。そういうわけで未だにフィルムカメラだけ使っています。
フィルムは高くなったのか
Amazonで自分の購入履歴を調べたところ、並行輸入物の安売りフィルムの単価は以下のようになっていました。
- 2019/01 富士フイルム 業務用フィルム100/24→292円/本
- 2019/08 Kodak ColorPlus 200/36→400円/本
- 2019/10 Kodak ULTRAMAX 400/36→538円/本
- 2020/01 Kodak ProImage 100/36→600円/本
- 2020/11 Kodak Gold 200/36→580円/本
- 2021/09 Kodak Gold 200/36→628円/本
- 2021/12 Kodak ProImage 100/36→790円/本
これ以降になると、ヨドバシでまとめ買いして割引を効かせるのと単価があまり変わらなくなったのでAmazonで買わなくなったと記憶しています。これ以外にもヤフオクで買った分などもあるので抜けはありますが、大雑把にはこんな感じです。個人的な価格のラインは大体550円にあり、ニューシーガルの100/36の3本セットがヨドバシで1760円(約580円/本+ポイント10%)で売っていた(今はもう少し高い)ので、ここを超えるとモノクロフィルムと単価が逆転してしまいます。
現在では1000円を軽く超えていますが、一般消費者がデジカメに移った時点でフィルムの命運は決まっており、今でもカタログ落ちしていないこと自体が奇跡だと思います。2019年問題があったのも、メーカーからすればこのあたりまで対応していれば困ることはないだろうと考えていたのではないでしょうか。大学に入ってから好んで使っていた Bigmini F もデートが2020年に対応しておらず、2020年10月の旅行中に故障してしまいました。年代と電子部品の数から考えると不思議なことはなく、このときは廃部になる予感がひしひしとしていたこともあり、このあたりが色々と潮時なのかなとモエレ山の山腹でうなだれていました。
また、そのデジカメすらスマホに食われて市場が縮小していますね。スマホのカメラが進化していき、記録のための写真はスマホで十分になれば、かえってフィルムが見直されるのではないかと少し思っていましたが、この状況だと0から始めるのはなかなか難しいと思います。フィルムカメラ本体も高校生の頃は、この先フィルムが高くなることで手放す人が増え、大学生になるころにはなんでも買い放題になるんじゃないかと甘く考えていましたが、実際にはえらく高騰しています。特にn=1ですがBigmini Fが突然死した身からすると同年代のAFコンパクトの値付けはどうなっているのかと思います。でもフィルム自体の供給は予想よりマシだったのでこの4,5年がフィルムにとっての夕凪の時代だったのかもしれませんね。
ここまでカラーネガが高くなると、別にポジでとってもいいんじゃないかという気もします。つい先日受注停止になってしまいましたが、SUPERIA PREMIUM400が1650円、UltraMAX400が2100円で,VELVIA100が1980円ならVELVIA100を買います。先日、卒業旅行として一人わびしく宗谷岬まで行ってきましたが、ポジフィルムも持ち出してみました。
見出しの「フィルムは高くなったのか」という話に戻ると、当然ですがどう考えても高いです。しかし考えようによってはむしろ安くなっているともいえます。(あくまで自分の中では)フィルムの値上げ自体は自分の可処分所得の増大と並行しています。中学高校の頃の200円と大学時代の300~1000円、社会人になってからの2000~3000円だと、一番最後が負担としては軽いのではないでしょうか。99.99%の人にこの考えは当てはまらないので何ら意味のない理論ですが、まぁ自分の趣味ですから。
この先どうするか
この先もフィルムを使っていきたいとは思いますが、さすがにフィルムも供給や値段の面で撤退戦の様相を呈してきました。つい先日、富士フイルムが国内受注停止を発表したばかりで、この先一般人がいつまで買えるのかは不透明ですし、流石に1本3000円を超えてくるようだと、躊躇するかなと思います。許容できる値段は今後の収入によって変わってくると思いますが、10本まとめ買いするだけで数万円が飛んでいくのには抵抗がありますね。
現実的に考えると、デジタルとの二刀流に移行して、フィルムは細く長くでやっていくべきでしょうか。ニコンのES-2を買っておいたので、データ化を今後は自分で行ってランニングコストを少し下げることは出来ます。デジタイズ機能のあるD780を買うのが最善でしょうか。X-700やFE2をモノクロ用にしてD780と持ち出せば、棲み分けができそうです。ここぞというときはF100にポジフィルムを詰めて出かけるのも良いと思います。
今まではデジカメのイニシャルコストという面で尻込みしている面がありましたが、今月からは収入が跳ね上がるので買おうと思えば買えそうです。今もすぐそこでマ○プカメラが金利60回無料の看板を立てて、沼へ手招きしています。
今更やめられないという結論になった
振り返ってみるとお金がないことに始まり、なるべくお金をかけない方向でやってきたことがわかります。
未だにフィルムカメラしか持っていないというと高尚に一見見えますが、昔から使っていて、なんとなく辞めるに辞められなかったというだけです。
カラーネガオンリーからモノクロに手を出し、ポジもやってみようとなると、だんだん高尚な方に向かっている気がしますが、実際にはコスパよく楽しもうとした結果です。
即引退すべき大きな失敗があっても、未だに細々と写真を撮っているのも結局は、今更やめられないという結論になっているだけですね。
どうせもうすぐフィルムも一般人が手軽に楽しめる趣味としては完全に終わるので、とりあえずそこまでは粘ってみようと思います。なんにせよ悪いのは自分であって写真ではない、今更やめられないという結論になりました。